プロローグ エンジニアとして働いているなら、誰もが混沌に満ちた闇の深いコード、カオスコードに遭遇したことがあるだろう。 何をしているかわからない、何故こんな書き方をしているかわからない、しかし正常に動作しているらしいというブラックボックス。そして往往にしてそのようなカオスコードは密結合になっていて一度手を加えればどこにどのような影響を与えるかもわからない。故に放置され、時を経てさらなる闇を生み出す。そうなるともはや我々人類は立ち尽くすしかないのである。 しかし考えてみてほしい。悪意を持ってカオスコードを生み出すものなど存在しないはずである。 誰もが光差すコードを書こうと腐心しているはずである。 それなのに今日もどこかで新たな闇が生み出されている。 それは何故なのか。 実装した者のスキルや意識の低さのせいにして「クソがぁ!」と叫ぶのは簡単である。 しかしそれでは何の解決にもならない。 我々は