電子商取引(EC)の巨人である米Amazon.com社が、2011年11月に発売したタブレット端末「Kindle Fire」(図1)。199米ドルという低価格から、早くも市場を席巻している。米国の調査会社IHS iSuppli社によれば、Amazon.com社は2011年第4四半期、つまり発売からわずか1ヵ月半で約390万台を出荷する見込みだという。米Apple社の「iPad」シリーズには遠く及ばないが、Androidタブレットでは韓国Samsung Electornics社の「Galaxy Tab」シリーズを大きく引き離してトップである。 Kindle Fireは、200米ドルを切るという目標を達成するために、ハードウエア的な機能を割り切っている。カメラやGPSなど、他社のタブレット端末が通常備えている部品を搭載していない。基本的なハードウエア構成も“必要最低限”だ。これは、Amazon