『ロケット・ササキ ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正 』こんなスケールの大きい日本人が本当にいた文庫解説 by 孫 正義 ドクター佐々木は、私とソフトバンクにとって大恩人中の大恩人です。ドクター佐々木と出会っていなかったら、ソフトバンクという会社はスタートできていなかったかもしれない。 最初に出会ったのは私が19歳のとき。私はカリフォルニア大学バークレー校の学生でした。電子翻訳機の試作機を作って、いろんなところに持って行ったのですが、どこにも相手にされなかった。その中でただ一人、真面目に話を聞いてくれたのが、シャープの専務だったドクター佐々木です。 その技術はのちに大ヒットしたシャープの電子手帳「ザウルス」につながっていくのですが、この時の契約で得たお金でソフトバンクはスタートを切ったわけです。 ドクター佐々木は電子翻訳機を評価してくれただけでなく、こうも言ってくれました。「孫君