iPhoneのチップ量産を手掛けるTSMCは、米政府の支援を受けて少なくとも米国で工場を二つ建設する予定ですが、台湾と米国の特殊な関係が二重課税を生むため、今後も工場を拡大していくことは難しいのではないか、と考えられています。 二重課税で収益の半分が消える ロードマップ通りであれば、TSMCの米国工場はアリゾナ州で2024年から稼働します。この工場では4nmプロセスのチップが量産され、2026年からは別の工場で3nmプロセスの製造ラインが稼働する予定です。 しかし、ジョー・バイデン大統領の求めに応じて、そこまで米国での生産にこだわる理由はあるのでしょうか。というのも、TSMCの本拠地がある台湾と米国は租税協定を結んでおらず、米国と台湾で二重に課税されてしまうためです。 Financial Timesによると、二重課税ゆえにTSMCは米国で得た収益の50%以上を税金として支払う必要があり、こ