ARモデルのパラメータ推定法 自己回帰モデル(AR法)を用いたパワースペクトル密度算出 その1 少しおさらいと確認をしておきます。ストレス指標であるLF/HFは、交感神経活動と副交感神経活動のバランスを心拍変動の時系列データから計算したものでした。この自律神経バランスとしてのストレス指標を計算するためには、まず心拍変動時系列からパワースペクトル密度を算出する必要がありました。パワースペクトル密度はウィーナーヒンチンの定理を利用して自己相関関数からフーリエ変換により求める他に、自己回帰モデル(ARモデル)を利用して求めることもできます。ここではこのARモデルを利用する方法を解説します。 自律神経指標として心拍変動時系列の周波数解析をする文献では、特に断りもなく「心拍変動時系列データを自己回帰モデル(AR法)で分析すると次の式のパワースペクトルP(f)を得る」とさらりと以下の式を出します。 こ