車の運転時にカーナビゲーション・システムのボタンを押したい,料理中にテレビの音量を上げたいなど,手が離せない状況で機器を操作したい場面は少なくない。そういったシーンに有望なのが音声認識システムである。ところが,多くの音声認識システムはマイクの性能や周囲の雑音などに影響を受けやすく使いづらい。カーナビゲーション・システムであれば,車のエンジン音,再生中の音楽,街頭からの騒音など様々な音が混ざるため,うまく認識できない。ところが組み込み機器向け音声認識システムを開発・販売する米Fonix社は,雑音下でも認識できる音声認識エンジンを提供している。同社は2005年1月より日本での販売を本格化している。アジアセールスのディレクタのJohn Shepherd氏(写真)に話を聞いた。(聞き手=中道 理) ――なぜ雑音下でも認識できるのか。 ニューラルネットを使っていることが大きい。ニューラルネットは脳の