友人が葬儀代を立て替える 「手術を控えた友人から死後の手続きをお願いされたのは3年前のこと。友人は結婚しておらず、子どももいなかった。『費用はお礼も含めて遺産から出すからなんとかしてほしい』とのことでした」 こう語るのは都内在住の濱口健三氏(68歳・仮名)だ。初めは渋っていた濱口氏だったが、友人からの度重なる懇願に引き受けることに決めた。 友人が亡くなったのはそれから半年後のことだ。末期がんで、手術をした時には手遅れだったのだ。 身元引受人だった濱口氏はすぐに葬儀の手続きを始めた。友人は直葬を希望していたため、業者に頼んで遺体を火葬場まで運んでもらった。友人が用意していた共同墓地に遺骨を安置し、やっと一息つくことができた。 このときにかかった費用30万円は濱口氏がポケットマネーから出した。「あとで遺産から返してもらえばいいだろう」と思っていた。 しかし、ここで問題が起こった。いくら探しても