毎週金曜日、多くの人々が首相官邸を取り囲んで、「再稼働反対!」と叫んでいる。50年前の「60年安保闘争」では、組合、学生運動などの党派とともに市民がデモに参加して大運動に発展した。それに対し、今回のデモは、組合、党派ではなく市民中心の運動だ。実に半世紀ぶりの市民による公共圏の危機への大規模な意思表示という意味では、特筆に値する社会現象である。 このコラムでは2011年5月時点の「第22講:原発過酷事故、その『失敗の本質』を問う」で、原発シンジゲートの組織間関係に注目して原発問題の本質の一端を洗い出してみた。そして、「第24講:体制変革運動『Occupy Wall Street』とソーシャルメディア」では、チュニジア、エジプトから大西洋をまたいで、米国でもソーシャルメディアが体制変革運動を伝搬、創発させてきた姿を描写した。 そして日本。今年3月29日以降、首相官邸前で市民が原発の再稼働反対を
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