(前回から読む) 竹森 2003年に日本経済が立ち直ったのは、金融システムの対策が功を奏したことも大きかったけれども、同時にアメリカが好景気で、日本の輸出への需要が増えたことも大きな原因だったと思います。今回の経済危機の場合にも、金融問題の解決は大切ですが、同時に、需要をどこかで作らなければなりません。といって、今回はアメリカの需要頼みとはいきそうもない。竹中さんには、何かアイデアはありますか。 竹中 まず、一時的な需要不足が起きていますから、その意味ではいわゆるケインズ的な政策、財政改革をやらなければなりません。しかしその場合の政策には2通りあります。policy to help(ポリシー・トゥ・ヘルプ)と、policy to solve(ポリシー・トゥ・ソルブ)です。政府は、圧倒的にポリシー・トゥ・ヘルプをやります。ヘルプでもソルブでも短期的な効果は同じです。でも長期的な効果は全然違う