先日、とあるパーティで、統計学者の松原望先生と会った。 松原望先生は、早期からベイズ統計学の重要性を世にアピールしてきた先駆者である。ぼくは、経済学部の大学院在学時に、選択科目ではあったが、松原望先生の「ベイズ統計学」という講義を受け、そこでベイズ理論の指南をしていただいた。ぼくは『確率的発想法』NHKブックスや『使える!確率的思考』ちくま新書の中で、ベイズ理論を紹介していて、それが多くの読者にウケて、この二冊はセールス的にも良い実績を出しているのだけど、正直言ってここに書いてあることの多くは、松原望先生の講義の受け売りである。そういう意味では、下品ないいかたになるが、大学院の数ある講義の中で最も「金に換えることのできた」講義が先生の講義だった、ということになる。 そのときは、放送大学の教材であった『統計的決定』という本を教科書に使った。これがめちゃくちゃいい本で、今でもベイズ統計学に関し
既存事業が好調だとしても、いずれは成熟し、ついには縮小する。1つの事業では限界がやってくるのだ。だから、ビジネスパーソンには新しいビジネスを発想するチカラが必要だ。でも、新しい事業のアイデアなんて、そうそう思いつけるわけない……。いや、それは違う! 実は、あなたの事業のすぐ隣にも、新事業のアイデアはたくさん潜んでいるのだ。 筆者はときどき、苦しいアイデア会議に出席することがある。「経営学のフレームワークで分析的に考えたり、ブレインストーミングも試したけれど、いいアイデアが出てこないんですよ」とクライアントは言う。確かに彼らは「顧客や業界のしがらみが強く、自社だけで変革はできない」「イノベーションが期待できそうな新しいトピックが全然見当たらない」など、厳しい状況にある。 しかしそんな状況でも、必ず、新事業アイデアを引き出すことは可能だ。「はてなタクシー」という事例から、新事業アイデアを見つけ
20161119注:久しぶりに見返して、前回の第十二回とこの第十三回はかなり改訂しております。***** いつもどーり、前回 http://d.hatena.ne.jp/sergejO/20080619/1213844818 のポイントですが、 英文は頭から順に読むのです! 目指しているのは、逐一翻訳せずに、英文を英語で理解する状態です! 一語一語積み重なって変化する意味を、ありありと五感をもって感じ取りましょう。 子ども向け絵本から読み直すくらいでいきましょう! ということでした。 ***** では本日は実際に読んでみたらというおすすめを挙げてまいります。 昨日、こんなことを書きました。 一年間100冊の絵本を繰り返し読む・・・そこまで遠回りでもないでしょう。絵本を二十冊、もうちょっと上の子ども向けを20冊、小学校高学年くらいの本・・・セリフの長い漫画、例えばスヌーピーなどもいいでしょう
最近の経済物理学やBlack Swanなどの元祖は、マンデルブロである。彼が『フラクタル幾何学』を発表したのは1982年。その理論は、1970年代にほぼ完成していた。これは初期には、もっぱらコンピュータ・グラフィックスで有名になったが、彼がフラクタルを発見したのは株価の動きからであり、「あなたは自分の職業を何だと考えているか」という質問には「経済学者」と答えている。 その意味で本書は、20世紀でもっとも偉大な経済学者の業績を、数式なしで一般向けにまとめたものだ。原著は2004年なので、最近の市場の動きを分析する役には立たないが、30年前にここまで高度な研究を完成していたのは驚くべきことだ。あまりにも完成度が高すぎ、数学的にむずかしいため、研究の後継者がいなかったが、最近ようやく彼を継承する経済理論が出てきた(e.g. Aoki-Yoshikawa)。 本書で紹介されている理論は、物理学
『プログラミング言語C』のブライアン・カーニハン、『珠玉のプログラミング』のジョン・ベントリー、XMLの父ティム・ブレイ、そしてRubyのまつもとゆきひろ氏ら、一流プログラマたちが「美しいコード」についての思い入れを語る珠玉のエッセイ集です。世界でも指折りのハッカーたちが、優美で表情豊かな美しさに満ちたさまざまなコードをさまざまな角度から紹介しています。超一流の開発者たちの哲学、考え方、ものの見方の一端に触れることができる貴重な一冊です。 正誤表 ここで紹介する正誤表には、書籍発行後に気づいた誤植や更新された情報を掲載しています。以下のリストに記載の年月は、正誤表を作成し、増刷書籍を印刷した月です。お手持ちの書籍では、すでに修正が施されている場合がありますので、書籍最終ページの奥付でお手持ちの書籍の刷版、刷り年月日をご確認の上、ご利用ください。 第1刷正誤表
毎年この時期になると、「東大教師が新入生にオススメするベスト100」という企画で紹介してきたが、飽きた。 ほとんど変わり映えしないリストにも飽きたし、毎年「ベスト1はカラマーゾフ!」とハヤすのも飽きた。カラ兄が最高であることはさんざん宣伝してきたから、皆さんご承知だろう(異論・反論大歓迎、これを超えるものがあるならね)。 だから、今回はスコープを広げてみる。 ■ この企画の趣旨 東京大学に限らず、新入生を迎えるにあたって、センセイたちは思うところがある(はずだ)。ゼミにくる前に、せめてこれぐらいは読んでおいてもらいたいと望んだり、若かりしころハマった本で自分語りをしてみたり。そうした願望を吸い上げているところもいくつか見つけた。以下のとおり。 リスト1 「北海道大学教員による新入生への推薦図書」 リスト2 「京都大学新入生に勧める50冊の本」 リスト3 「広島大学新入生に薦める101冊」
海底二万海里(福音館書店版)は3冊ほど買い直したっけ。 カテゴリーは児童書だけど、面白い物は面白い。
読売新聞日曜日の書評欄にある「ビジネス5分道場」という欄の連載を1年間担当し、月に1冊、全部で12冊の本を選んで評した。ビジネス書ばかりを選んだわけではなかったので、すべてビジネスという視点から書かなければならないという制約が、ちょっとしたチャレンジだった。 読売新聞社の許可を得て、その書評をすべてまとめてここで公開します。 最終回から順にさかのぼる形で、並べてみることにします。一冊一冊かなり苦労して選んだし、書評はひとつひとつかなり時間をかけて書いたので、それぞれ短い文章ですが、どうぞゆっくり読んでみてください。 第12回 「事業経験を生の充実に活かせ」(読売新聞08年3月23日朝刊) 一年間にわたって本欄では、シリコンバレーやウェブといった私の専門に関わる本だけでなく、教養書をビジネスに役立てる視点から読み解く試みも続けてきた。 「知を愛し、せっかく生まれてきたからには個の力で何かを成
2008年03月28日17:45 カテゴリ書評/画評/品評Value 2.0 社会人必笑の一冊 - 書評 - 「社会を変える」を仕事にする 英治出版松本様より献本御礼。 「社会を変える」を仕事にする 駒崎弘樹 久しぶりに自信をもってこう言える。「面白くなかったら、私が引き取って売り直す」。 と同時に、献本があるまでこの本にたどりつかなかった自分を恥じている。 本書〈「社会を変える」を仕事にする〉は、病児保育・病後児保育のNPOフローレンスを設立した著者の自叙伝。 著者について NPO法人フローレンス代表理事。 1979年、東京都江東区生まれ、27歳。99年慶応義塾大学総合政策学部入学。01年(有)ニューロンに 共同経営者として参画し、株式会社化後、同社代表取締役社長に在学中に就任。学生ITベンチャー 経営者として、様々な技術を事業化し、ビジネスパーソンとしての成功を経験する。 同大卒業後、
かつてアラブ人が住んでいたパレスチナというところに、ユダヤ人がイスラエルという国をつくった。そのため、多くのアラブ人が住むところを失った。イスラエルはそこに国をつくる権利があると言って譲らない。追い出されたアラブ人はもちろん、周辺のアラブ諸国は、それは無法だと言って譲らない。そこで「喧嘩」になる。この「喧嘩」がもう半世紀以上続いている・・・。 『「テロリスト」がアメリカを憎む理由』 P.44 私は、ストーリーも実は小説にとってたいした問題じゃないと思っています。ストーリーは自然に発生してくるもので、むしろ自分が書こうとしている、まだ書かれていない物語が、すでにストーリーを持っているわけです。ストーリーは作家が考えるものではなくて、実はすでにあって、それを逃さないようにキャッチするのが作家の役目である。 『物語の役割』 P.71 本書の主要テーマの一つは、深刻な不景気に陥った経済で、金融当局
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く