人間のすべての発明品の中で、「お金」ほど広く普及したものはないでしょう。私たちのお金は、物々交換から始まり、貝殻のお金、硬貨、紙幣、そしてデジタルへと変遷してきました。アメリカの経済学教師デーヴィッド・A・メイヤー氏は、現代の貨幣制度について「まるでSFのようだ」と述べます。かつてのお金と現在のお金とでは、どのような違いがあるのでしょうか? メイヤー氏の著書『アメリカの高校生が学んでいる経済の教室』(桜田直美訳、SBクリエイティブ)より、「お金の変遷」について見ていきましょう。 現在のお金、「不換紙幣」が生まれるまでの歴史 ■かつてのお金は、お金以外の使い道もある「実物紙幣」 さまざまな時代とさまざまな文化で、さまざまなものがお金の役割を果たしてきた。たとえば、塩、タバコの葉、貝殻、大きな石、貴金属、非貴金属、皮、紙巻きタバコなどだ。他にもまだたくさんある。時代が下るにつれて日用品をお金と