第38回 北のミサイルは被害レベルを踏まえた議論を 経営コンサルタント 大前 研一氏 2006年7月26日 なぜ北朝鮮を非難するのか、まずはそこから考えよ 7月5日、北朝鮮は7発のミサイルを発射した。既報の通り、それらはすべて日本海に落下した。そのうち1発は、米国まで届くといわれているテポドン2と見られている。このミサイル発射問題については議論が錯綜(さくそう)しており、根拠のない話が飛び交っているのが現状だ。射程距離が長いはずのテポドン2が日本海で落ちたことについて、わざと途中で爆破させたなんて話まで出ている。 お笑い草だ。そんなことはまず考えられない。ミサイルをちゃんと飛ばすよりも、途中で爆発させるほうがずっと難しいことなのだ。そこで、このミサイルの問題をどうとらえればいいのか。日本はどう対処すればいいのかを整理して考えよう。 そもそもミサイル実験そのものが非難されるべきこ