米原万里嘘つきアーニャの真っ赤な真実(角川文庫・kindle)を読んだ。 この作品は三章からなり、米原万里自身が過ごしたプラハのソビエト学校時代の三人の親友の思い出と、東欧の動乱後、その友人たちに会いに行くというノンフィクションである。 1960年、マリ(作者自身)は日本共産党幹部である父親が各国共産党の理論情報誌 『平和と社会主義の諸問題』編集委員となったことより、チェコスロバキアの首都、プラハのソビエト学校(ソ連外務省が運営する学校)に入り、ロシア語による教育を受ける。 この学校は世界中から共産党幹部子弟が集まる学校で、本書に登場する三人も、それぞれリッツア(ギリシア)、アーニャ(ルーマニア)、ヤスミンカ(ユーゴスラビア)という母国を持っているが、例えばリッツアがギリシャ人であっても、両親が亡命後ルーマニアで生まれ育ったように、「母国」は単純な意味ではない。 マリがこの学校にいたのは1
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