彫刻で文房具を作ったという内容。その前に日記のようなフィクションのような文章がある。 東京インテリア階層 想像の素振り ポストイットケース「ワ」型 東京インテリア階層 エレベーターは上ったり下がったりしていた。入る店を間違えてしまった。店内にはインテリアが並ぶ。 嫁入り道具になりそうな箪笥の群れ。書道家の書いた掛け軸、等身大美少女フィギュア。「うっせーうっせーうっせーわ」。 私はインテリアで満たされた部屋で暮らしてみたい。部屋は安らぎ成分で満たされ、隣人のことが気にならなくなるかもしれない。 天井を見つめながら理想を描く。インテリアのある暮らしに「ワクワク」していた。天井のシャンデリアはソワソワと「ワークしなきゃ」と言っているかのように揺れていた。 想像の素振り 事実を書いてしまうと、天井のシーリングライト。プラスティックのカバーに溜まった蚊の死骸とホコリを見つめていた。電灯はただ冷たく白