能登半島地震から3週間が近づく中、多くの被災者が避難所での生活を余儀なくされている。共同生活を強いられ、周囲の目を気にせず着替えられるスペースがなかったり、トイレが男女共用だったりと課題も多く、女性らから不安の声が聞かれる。水道などライフラインの復旧が遅れ、避難生活の長期化が懸念され、安心して過ごせる環境づくりが重要になっている。(渡辺真由子、服部壮馬) 「ここだと丸見えだから、着替えられるタイミングがなくて」。石川県珠洲(すず)市内の避難所に両親と身を寄せる高校2年の女子生徒(17)が明かす。床に布団を並べただけの避難所は、他の避難者との間に段ボールなどの仕切りもない。着替えができるのは、更衣スペースのある自衛隊の風呂に入る夜だけという。翌日着る服に着替え、そのまま寝る。「みんな同じ環境だから」。自分に言い聞かせるようにつぶやいた。