ブックマーク / crossacross.org (5)

  • セックスと出産のケイパビリティ禅問答

    セックスの権利 現在の常識的な人権概念を書き下せば、セックスは複数人の間でなされるものであり、参加するか否かの決定権は各人にある。セックスという行為はこの決定権の行使によって実現されるものであり、「誰とでもいいからセックスする権利」などというものはない。よって「あてがえ論」は成り立たない。 障碍者のケース 障碍者にもセックスの権利はある、という議論がある。書き下すと、 人は誰しもパートナーとセックスする“権利”がある(権利でないならば補う必要はない) 障碍者はパートナー獲得のケイパビリティが低くセックスの権利を行使しにくいため、これを補うために自己意思で金とセックスを交換するセックスワーカーから買っている となる。 問い 障碍者にもセックスの権利があるとし、のパートナー獲得のケイパビリティを補うためにセックスワーカーをあてがうのは是か非か? “顔面障碍者”概念 一般的な障碍者にセックスワー

    セックスと出産のケイパビリティ禅問答
  • 日本型雇用を誰が殺したのか(その2)

    型雇用を誰が殺したのか 日型雇用を誰が殺したのか(その3) 大きな格差が残った「公務員」と「テレビ業界」 要約:民間企業が年功序列の逆流による人件費過剰問題に対処する一方、直近の収益を求められない公務員と慣習的寡占状態にあるテレビ業界では対処が遅れた。このため、両業界では民間一般に比べ賃金水準が著しく上昇する一方、賃金体系の年齢差別、サービスの削減や下請けからの搾取という形で高い賃金を補填している状態が続いている。 公務員、とくに地方公務員の所得は民間に比べ平均年収が200万円高く、上場企業正社員と比較しても100万円以上高い1。この点は批判されることが多く、実際選挙でそれを訴えて当選した人は少なくない。地方公務員の所得が民間の傾向から乖離して著しく上昇を始めるのが1992年ころである2。ちょうどバブルの崩壊と重なっていたため「不況のせい」と言われることもあったが、別記する実態を鑑み

  • 萌え絵論争:オタクがセクシュアルマイノリティであるという仮説

    Twitterにおける《萌え絵論争》ないし《オタク-フェミ論争》は季節の風物詩どころか日常茶飯事になってきた感があり、つい最近もそのような案件があって「またか」と思っているところである。筆者も以前「ポリティカル・コレクトネスの進展と未整理の矛盾」というエントリでそれを扱ったが、今読み返すと未整理過ぎるので、もう少し洗練させたものをこの機会に投じておきたいと思う。 男性の性欲・支配欲が反映された表現は女性にとって不快なはず、というロジックの破綻 いわゆる《萌え絵論争》におけるオタク(萌え絵)に対する批判は、非常に大雑把に言えば、「{男性向けに描かれた女性}は、男性の性欲や支配欲などが投射されており、女性にとってはアグレッシブ(な扱いを反映しているように)に映るので不愉快に感じる」というのが基的な論理となっている。筆者はその論理は理解してきたつもりであり、かつては特に否定していなかったのだが

    萌え絵論争:オタクがセクシュアルマイノリティであるという仮説
  • 貧困層支援策を格差拡大政策に裏返してしまう「罠」に気をつけよ

    近年の格差対策・再分配強化策には2種類のトレンドがある。一つは、等しくとって傾斜配分せよという考え方(均税傾給と名付ける)である。「等しくとる」方法として消費税の強化を主張することが多い。菅直人政権の経済ブレーンだった小野善康が代表的論者として挙げられる。もう一つは、金持からとって等しく生活保障レベルを給付せよという考え方(傾税均給と名付ける)である。この極端な例としては、民進党前原氏のブレーンである井手栄策氏の主張が挙げられる。氏は定率の税(=高所得者のほうが納税の絶対額は多くなる)と均等金額の給付により格差が縮小できるとしている1。 第一の罠――「均税均給」への野合による再分配機能の停止 「均税傾給」型の主張と「傾税均給」型の主張は、それぞれ税か給付のいずれか一方を無差別に均等化すべきと主張している。その利点として、審査が1回になることでコスト低減になり、ごまかしや抜け穴が減るとするこ

    貧困層支援策を格差拡大政策に裏返してしまう「罠」に気をつけよ
    spitflower
    spitflower 2020/01/06
    これは良い記事
  • ジェンダーギャップ指数というザル指標で見落とされてしまう差別

    今年もジェンダーギャップ指数が発表され、日は121位と相変わらず低位であった。この指数については、政治的エンパワメントに極端に加重がかかっており、かつ指標の採り方が女性の絶対的人権状況をとるものではなく性比一槍で評価するためブレやすく、そういった点に対する批判が多く聞かれる。 個人的には、政治的エンパワメントも目指すべき目標の一つであるのだから、そこに文句を言う筋合いはないと考えている。そのうえで、ジェンダーギャップ指数は政治的エンパワメントの指標としてもあまり質が良くないと考えている。ジェンダーギャップ指数は差別構造が残っているにもかかわらず見た目だけ順位を上げるハック・チートが容易であり、かつ実際上位に並んでいる国に差別的構造が残っていることが多いからである。言い換えれば、差別を撤廃するための指標としてあまり役に立っていない、ということである。この項では、それらの事例について検討し

    ジェンダーギャップ指数というザル指標で見落とされてしまう差別
    spitflower
    spitflower 2020/01/06
    指標は実は何を拾っているのか、丁寧に検証する必要がありますね
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