広島市の職員研修で「教育勅語」が引用されていることについて、広島弁護士会は引用をやめるよう求める声明を発表しました。 広島弁護士会 坂下宗生会長 「当会は広島市長に対し、教育勅語の引用が誤りであったことを認め、今後、職員研修の資料として教育勅語を引用することをやめるよう求める」 教育勅語は、教育の基本や国民道徳に関する明治天皇の言葉で、広島市は発案した松井市長が就任した翌年の2012年から職員研修の資料に引用しています。 広島弁護士会は声明で教育勅語について「憲法の国民主権と矛盾し、象徴天皇制や政教分離の原則とも相いれない」と指摘。 戦時下で国民の思想統制に利用されたことにも触れ、松井市長に対し「戦争の歴史や背景を理解し、平和都市広島の市長としてふさわしい言動がなされるべきだ」と主張しています。 教育勅語の引用については被爆者団体も抗議していますが、松井市長は「大変心外だ」として引用を続け
宮崎康平氏が「からゆきさん」をインタビューした際に録音したテープ。「からゆきさんの話(1)」と書いた紙が貼られている=内嶋善之助さん提供 「一日一晩のうちに、49(人と)したよ……」。16歳の少女は、船底で汚物にまみれて海を越え、見知らぬ異国で春を売った。幕末から明治、大正にかけ、貧しさから海外に渡り、娼婦(しょうふ)として働いた女性「からゆきさん」。その一人が約60年前、その過酷な体験を赤裸々に語った約12時間分の肉声がテープに残されていた。からゆきさんが自らについて語ったり書き残したりした史料はほとんど残っていない。この女性はシンガポールで裕福なイギリス人に身請けされ、たくさんの宝飾品を贈られて「ダイヤモンドおなご」と日本人の間で呼ばれた。30歳半ばでホテル経営に乗り出すほど成功したが、帰国後、だまされてほぼ無一文になるなど、波乱に富んだ生涯だった。しかし、海外に渡った女性の存在は地元
オウム真理教を題材にしたドキュメンタリー「A」で知られる映画監督で作家の森達也さん(66)がこのほど、大津市におの浜4丁目の解放県民センターで講演した。地下鉄サリン事件やロシアによるウクライナ侵攻で目立つ一方的な報道や、日本人の同調圧力の強さを取り上げ、「多くの戦争は自衛から始まる」と警鐘を鳴らした。 【写真】オウム解散請求の記録を廃棄 森さんは、オウム真理教による1995年の地下鉄サリン事件を機に、動機が分からない凶悪犯罪への不安や恐怖から異物を排斥する集団心理が強まり、犯罪の監視や厳罰化が進んでいると説明。 一方、ノルウェーでは凶悪犯であっても刑務所で人間らしい生活が保障されているとし「ほとんどの犯罪は三つの不足から起きる。幼年期の愛情不足、成長期の教育不足、現在の貧困で、それを補うのが社会の役割であり、刑罰だ」とする同国の法務関係者の言葉を紹介した。再犯率が高い日本では、刑務所は受刑
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