2024年2月2日、毎日新聞「記者の目」に、「認知症と安楽死 コラムに反響 医学、哲学の前に福祉充実を」という記事が掲載された。これは、井上英介記者による「認知症と安楽死」問題を取り上げたコラム記事と、それに対する精神科医による寄稿文を含めた以下3つの記事の総括とも言える記事だ。 ①「安楽死は正解のない哲学」(毎日新聞2023年5月13日掲載) ②「『認知症になったら安楽死に』をどう考えるか~老いと死の臨床」(精神科医で都立松沢病院名誉院長の斎藤正彦医師の寄稿。毎日新聞「医療プレミア」同年7月1日掲載) ③「再論~答えのない安楽死」(毎日新聞同年8月12日掲載) 「記者の目」を含めた4つの記事は、様々な示唆に富んでいる。 筆者は昨年後半、実父を在宅で、認知症がある被後見人を施設での看取りに関わった。そうしたこともあって、前述の4つの記事にはいろいろなことを考えさせられた。ここで改めて、「死
「上半身は人間の女性、下半身は鳥」というセイレーンは、美しい声を持つ海の怪物と伝えられている。セイレーンの歌声を聞いた船乗りは、心を惑わされ、船を難破させてしまう。 そのことを予言者から教えられていたオデュッセウスは、自分だけはその美しい声を聞きたいと思ったが、航海も無事に進めたい。そこで仲間の水夫たちに命じて、オデュッセウスをマストに縛り付けさせ、彼らには耳に栓をさせた。 いざセイレーンの住む島に船が近づくと、縛られたままのオデュッセウスはやはりセイレーンの声に心を惑わされ、島に船を着ける様叫んだが、その声が耳に入らない水夫たちは、ひたすら櫓をこぎ続け、船は無事に島を通り過ぎることができた。<ホメーロス『オデュッセイア』第12歌より> このホメーロスが描いた物語と同じ状況が、終末期医療の現場で問題になっている。 「安楽死先進国」オランダで初めて減った実施数 オランダ安楽死審査委員会報告書
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