岡山大病院(岡山市)は4日、肺の難病を患った北海道の男性(59)に、脳死と判定されたドナー(臓器提供者)の肺と、男性の息子の肺をそれぞれ移植したと発表した。脳死ドナーと生体ドナーの肺を同時に1人の患者に移植する「ハイブリッド肺移植」の成功は世界初という。 同病院によると、男性は肺が硬化して呼吸が困難になる「特発性間質性肺炎」で、両肺の状態が悪化していた。 日本では55歳以上の患者に脳死ドナーから両肺を移植することは認められていない。また、男性は体が大きく、肺の一部を用いる生体移植では効果が低いと判断し、脳死肺と生体肺を組み合わせることにした。 手術は約10時間で終了し、男性は約3カ月で退院の見込みという。