過激派組織「イスラム国」(IS)人質事件で政権批判を「自粛」する空気への危惧を訴える、元経済産業省官僚の古賀茂明さん(中央)ら=東京都千代田区の参院議員会館で2015年2月9日、堀智行撮影 「I am not ABE」を覚えているだろうか。テレビ朝日系のニュース番組「報道ステーション」で、コメンテーターを務めた古賀茂明さんが2015年3月の最後の出演の際に掲げたフリップの言葉だ。元経済産業省の官僚だが、当時の安倍政権への批判で知られ、最後の出演では自身の降板を巡る首相官邸からの圧力なども訴えた。放送法の「政治的公平」を巡り、安倍官邸が事実上の解釈変更を総務省に迫った2014~15年の行政文書が明らかになった中で、同じ頃に降板した古賀さんは何を思うのか。【田中裕之】 「官邸が報道を支配しようとした」 「安倍政権時代に、首相官邸が中心になり、自由であるべき報道を支配しようとしたのだと思います。