飯泉 純子 IIZUMI Junko 栗田 洋輔 KURITA Yosuke 本論文は、エンジニアリング・マインド誌Vol.6 特集「続ソフトウェア経済学」に掲載されたものです。 IT不良資産 会計業務に係るソフトウェア開発やシステム構築を担当している人や、個人事業主としてソフトウェア開発に携わっている人を除いて、ソフトウェア技術者の多くは企業会計について詳しく知らないでしょう。しかし、「IT不良資産」という言葉を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。 IT不良資産とは、開発/購入/構築したソフトウェアやITシステムが利用されなかったり、投資金額に見合う効果がなかったりして、企業会計上は「資産」として扱われているにも係わらず、それほどの価値がないと判断されるものです。では、この「企業会計上の『資産』」とは一体なんなのでしょうか。 この論文では、企業会計の視点からのソフトウェアの価値