グルジアに近い黒海沿岸のソチも北カフカス地域に含まれるうえ、同地域で活動するイスラム原理主義組織「カフカス首長国」の指導者ドク・ウマーロフが「あらゆる手段でオリンピックを妨害する」と述べていることもあって、今回のテロはオリンピックの安全性に大きな懸念を投げかけている。 もともとソチでのオリンピック開催は、長らく紛争の続いてきた同地域の安定化をアピールする側面があったただけに、イスラム原理主義組織としては格好の標的であり、逆にウラジーミル・プーチン政権としてはその威信に懸けて妨害を排除する必要がある。 もっとも、ソチから数百キロ離れたヴォルゴグラードが選ばれた点については、警備の厳しいソチそのものではなく、玄関口であるヴォルゴグラードを狙ったのだという解釈や、こちらは陽動に過ぎず、警備を分散させておいて「本丸」のソチを狙うのだという解釈など様々な考え方がロシアのメディアでは見られるようだ。