日本軽金属と日軽金アクト(本社東京)は,東金属産業(本社静岡県沼津市)と共同で,縦弾性係数を向上させた高剛性アルミニウム鋳物合金「NE12」を開発した。日軽金アクトが提供する。用途としては,工作機械の構造体のほか,半導体や液晶製造装置など,軽量化を必要とする分野を想定している(図1)。 縦弾性係数は従来のアルミ鋳物合金「AC4C」に比べて約30%高く,熱膨張係数は約10%低い(図2)。縦弾性係数の向上により,これまでアルミ合金の弱点とされていたたわみを減らせる。加えて熱膨張を抑えたことで,ワークへの熱変位の影響を小さくできるという。高い縦弾性係数を持たせながら,従来のアルミ鋳物合金以上の切削性を実現したので,工具寿命の改善や加工時間の短縮を図れる(図3)。 日本軽金属は今回,合金の組成を工夫することで縦弾性係数の向上と熱膨張係数の低減を実現。東金属産業との共同開発によって最適な鋳造法を確立