「アクタント」の氾濫 今回、編集部からこの夏公開された3本の劇場アニメーション映画――スタジオ地図/細田守監督の『未来のミライ』、スタジオコロリド/石田祐康監督の『ペンギン・ハイウェイ』、そして、スタジオポノック/米林宏昌・百瀬義行・山下明彦監督のオムニバス『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』(『カニーニとカニーノ』『サムライエッグ』『透明人間』)について、この3作に共通して登場する「子ども」と「動物」の位置づけをめぐるレビューを依頼された。 それぞれの作品におけるこれらふたつのモティーフが具体的にどのように表現され、意味づけられているかを綿密にたどるにはそれなりの分量が必要だが、ここでは、おもに『君の名は。』以降に活況を呈す現代アニメーションの新たなパラダイムから、これらふたつのモティーフの登場にぼくたちが見いだせる意味について、おおまかに論点をひとつ、出してみることで満足したい。