前回は「ふたつのスピカ」に関連して当時の作業面の記憶を書いたわけだが、今回はもっと作品の内容(というかセリフ)について触れてみよう。プロデューサーとの、納得がいかなかったやり取り、またの名「水掛け論」を振り返ってみる。 「スピカ」の主人公アスミは幼い頃から「ロケットの運転手」になりたいと思っている。彼女には、ロケット事故で死んだ宇宙飛行士の幽霊が見える。その幽霊はなぜかライオンの被り物をしているので、アスミは彼を「ライオンさん」と呼び、ライオンさんの方はアスミを「チビちゃん」と呼ぶ。……というのが原作。 で、放送局のプロデューサー(以下Pとする)が、「チビ」はダメだと言い出した。人の欠点を揶揄している言葉、という解釈だろうかね。 とはいえ原作での呼称を必然もなしに変更するのはおかしな話なので、おれはもちろん「チビちゃん」でいきたいわけだ。しかし一度言い出したPに対して、おれが先日まで関わっ