大きな耳、ふさふさの尾、ネズミのような歯など、多くの変わった特徴を持つ霊長類のアイアイ。その異常に長い第4指を使って、木の中から昆虫の幼虫をかき出して食べる。(PHOTOGRAPH BY PETE OXFORD, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 米ノースカロライナ州立大学の准教授であるアダム・ハートストーン・ローズ氏は、肘から先の前腕の筋肉を研究している。ともすると見過ごされがちだが、驚くほど精巧にできていて、手指の繊細な動きをコントロールする筋肉だ。これがなければ、モーツァルトのピアノ協奏曲を弾くことはできない。 さらに氏は、様々な霊長類の前腕(前肢)も研究し、異なる種の間でどのような解剖学的違いがあるのかを比較している。そしてこのたび、マダガスカルにすむ霊長類アイアイ(Daubentonia madagascariensis)の6本目の指を発見し、10月21日付けの