ダリ風の口髭をたくわえた、TOOT代表取締役社長の枡野はマッキンゼー出身 PHOTO: HATSUYO HASHINAGA ユニークなデザインと国産ならではの高品質で、二桁成長をつづけるメンズ下着ブランド「TOOT」。その“魅せる下着”はゲイの人々を中心に、流行に敏感なシティボーイから熱狂的な支持を受けてきた。だが、いま同社は、独自のPR戦略を武器に、よりグローバルな高級ブランドへの飛躍を目論んでいる。 TOOT(トゥート)が新製品を発売する際には、おごそかな“経営的儀式”が行われる。 同社の代表取締役社長が、その製品、すなわち下着を穿いて、本社の中を歩き回るのだ。そして、ひとたび彼が穿き心地もルックスも良いと言えば、日本の高級紳士下着業界の繊細な“理”が働いて、そのアイテムに目の肥えた顧客たちが殺到することになる。 「とてもいい“リトマステスト”なんですよ」と代表取締役社長の枡野恵也(3