スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ『戦争は女の顔をしていない』の小梅けいとさんによるコミック版、1巻が先日発売となりました。僕も監修という形でお手伝いしています。多くの方に買って頂いているそうで、本当に嬉しいことです。 www.kadokawa.co.jp ところで、発売前から「コミック版は『可憐な女性兵士のけなげなエピソード集』『泣けて感動する話』として『消費』されてしまうのではないか」と危惧するご意見がありました。発売後もよくお見かけします。これはまったく正当な懸念です。 漫画というのは情動を刺激するメディアであり、まさにそこが強みです。強調するにせよ抑制するにせよ、ほぼ全ての漫画家はそこに自覚的です。おそらく誰が描いても感動物語になり得るでしょう。 そして、僕はこの作品で泣いたり感動したりエピソード集として楽しんでも別にいいのだろうと思うのです。自分の情動を止めることなどできますまい