22歳女、卒業間近の大学生。 つい二週間ほど前、学科全体で卒業論文の最終提出があった。 一つ一つ製本され、図書室に所蔵される。 今日も私は図書室に向かった。 どうせ学部4年生程度の論文じゃ誰も読まないし、毎日通っている私は端から見たらヘンな人かもしれない。 でも、そこにはあの人の卒論が眠っている。 入学直後の学科オリエンテーションで仲良くなった人。 私と彼は出身が同じで、入学当初はローカルな話題ができるのがお互い嬉しくて、すぐに仲良くなった。 でも、彼は私と違って、友人が多くスポーツも万能で、そのくせ成績は学科でもトップクラス。 入学当初はともかく、夏休み前くらいになると、自分がいるべきカーストというものを皆が認識し出すようになる。 私と彼も例外ではなく互いに疎遠になってしまったけど、私は今でも片想いを続けている。 今日も彼の卒論を読んだ。 この50数ページの文章を、彼がどれだけ頑張って書