『君繋ファイブエム』というアルバムをリリースしてから随分たったけれども、このところ、このアルバムで掲げた「半径5メートル」について考えている。まあ、当時考えていたことは、例えばインターネットの登場が代表するような情報化社会の中で、それぞれの「半径5メートル」が無茶苦茶になってしまうんではなかろうか、みたいな危機感だった。ひとまずはその「半径5メートル」をしっかりと知覚したり把握したり整理しないとどうにかなってしまうんじゃないか、っていう危機感を反映させてのタイトルだった。コンフリクトして固まらずに現実と接続するための「半径5メートル」についてのアルバムだとも言える。で、まあ、そうして「半径5メートル」のことをチクチクと歌てみたらば存外にグズグズとモヤモヤの塊みたいな歌ばかりになってしまって、丸ごと焦燥感の膜で包んだようなアルバムに出来上がった。どこか青くて切ない、デビュー時にしかできないだ