むかし、むかし、クリスマスイブの夜のことでした。雪が静かに降りしきる大阪・御堂筋を、ひとりのこころの貧しい少女が歩いていました。橋の下に住んでいたので橋下徹子と呼ばれておりました。今日は楽しいクリスマスイブ。みんな襟を立てて寒さをしのぎながら家族の待つ家へと急いでいます。でも、子だくさんの徹子はこんな日も働かなくてはいけません。 「イルミネーションはいりませんか」 「イルミネーションはいりませんか」 徹子は道行く人を呼び止めてはイルミネーションを売ろうとしますが「この不景気に」「腹の足しにならない」と誰も買ってくれません。徹子は疲れきってからだが凍えてきました。ああ、寒い…。こうなったら、このイルミネーションをともして暖を取ろうかしら。いえ、いけないわ。府民の血税をまきあげてつくったイルミネーションですもの。…でも、ちょっとだけ。 徹子はひとつだけイルミネーションをともしました。するとあた
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