中国・北宋時代末期(11世紀末~12世紀初め)、河南省の著名な陶窯(とうよう)「汝窯(じょよう)」で宮廷向けにつくられた青磁(せいじ)とみられる作品が、日本で新たに確認された。大阪市立東洋陶磁美術館(大阪市北区)が明らかにした。汝窯青磁は「天青(てんせい)(空の青)色」と呼ばれる淡い青色が特徴で、青磁の最高峰とも言われる。現存するのは世界でも約90点に限られ、国内では3点目。 今回確認されたのは、酒や茶を入れる「盞(さん)」と呼ばれる小さな茶わん。高さ5・2センチ、最大直径10・2センチ。東洋陶磁美術館の小林仁・主任学芸員によれば、戦前に仏文学者の日本人が九州で買い求め、愛蔵していたものとされる。昨年、所蔵する遺族の知人から相談を受け、今年3月に同館の出川哲朗館長とともに実物を見て、色や底部の特徴などから汝窯青磁と認定した。小林さんは「形もよく、(制作当初から受け継がれてきた)伝世品とみて