「遅れをとっている感覚」は、大切なもの 田中:では、近藤さんが現在に至るまでに意識しているターニングポイントのようなものはありますか? 近藤:大学院1年のときでしょうか。研究をしながら自転車選手として活動していたとき。子供の頃から自転車レースが大好きだったので、1年間という期間を決めて、真面目に取り組みました。日本のトップクラスのレースや国体で完走できたし、高順位を記録することもできました。「子供の頃は自転車選手になりたいと思ってたんだけどねー」と言いながら一生過ごすよりも、やりたいことをやった自分でいたいと考えましたし。 でも周りを見渡してみると、大学を卒業して就職した人のほとんどが大企業に所属しており、大学院にいる人もみんなきっちり研究している。同じゼミだった人たちに飲み会で集まったりするとみんなキャリアをきっちり積み重ねているのに、僕はこんなにちゃらんぽらんなことをしていて……と、相