地球から131億光年離れた銀河に、宇宙誕生の初期に生まれた「一番星」が含まれる可能性が高いことを、愛媛大と米アリゾナ大の研究グループが解明した。22日、金沢市で開かれた日本天文学会で発表した。 これまでの研究では、宇宙は約137億年前に誕生。その1億〜数億年後に、水素とヘリウムだけからなる「初代星」が生まれた。初代星は太陽や地球など一般的な星と異なり、炭素など重元素を含まないことも分かっている。 従来の可視光の探査では129億光年先までしか観測できなかったが、ハッブル宇宙望遠鏡に新たに設置された赤外線カメラを使い、昨年8月に海外の研究者が131億光年先の炉(ろ)座の方角で銀河を観測。研究グループで明るさなどの解析を進めたところ、重元素を含まない初期の星が存在することが分かったという。 愛媛大の谷口義明教授は「宇宙の一番星は銀河の種。銀河の誕生過程を解く手がかりになる」としている。【近