前回のIII-V族や量子井戸といったものは、ここ20~30年の間に研究されている。それにも関わらずまだ未来の技術扱いされるほどに展望が見えていないと言えるものであるが、今回紹介するものはさらに先の話である。 特性の変動がシリコンの1000分の1 夢の新素材カーボンナノチューブ CNT(Carbon Nano Tube:カーボンナノチューブ)はNECの飯島澄男博士が1991年に発見したものである。簡潔に述べると、炭素原子の膜を筒状に整形したものである。 詳細はNECの研究開発サイトの中にCNTのページがあるので、物理的な特性に興味のある読者はこちらをご覧いただくのが早い。プロセスに関係する部分では基本的に以下の特徴を持つことが研究によって知られている。 ほかにも機械的な特徴として、非常に強度が高く、内部に別の分子あるいはフラーレン(炭素原子のみから構成され中空の球)を取り込めるなどの特徴もあ