東京科学医療グループ・行方史郎、佐藤久恵 ◇人材減り撤退企業も 国際宇宙ステーション(ISS)への無人補給船「こうのとり(HTV)」を乗せたH2Bロケットの打ち上げで、H2Aと合わせた成功率が95%になった。信頼性が高まり、宇宙航空研究開発機構と三菱重工業は、打ち上げ市場で戦うための低コスト化に向け、次世代ロケットH3の技術検討に入った。開発を続けなければ人材と技術が保てない事情が背景にある。 「老齢化とまでは言わないが、とても若い人を投入できる状況にはない」 三菱重工業の大宮英明社長の説明に昨年6月、文部科学省宇宙開発委員会のISS特別部会は静まりかえった。 三菱重工業は、国からロケット開発を請け負い、技術者を育ててきた。ところが、ISSの日本実験棟「きぼう」やH2B、HTVの開発が終わり、有人宇宙関連の設計技術者は2001年度に141人いたのが、08年度は58人