ゆっくり読むことは、とても重要。だけど、ゆっくり読むこと「だけ」? 速読中心の世の中に背を向けて、ゆっくり読むことを推奨する人がいる。ゆっくり読むこと、遅読、スローリーディングともいう。ロハスはだいぶ下火になったものの、およそ読書にとって、「じっくり読むこと」は大切だと思う。 関心を惹くところだけをザッと見て「読んだ」と吹聴するのは、ちょっとね。ビジネス書や実用書ならともかく、うっかり小説を速読しちゃうと、「なぁ~にぃ~、やっちまったなー!!」と杵を振り上げたくなる。 特に小説は、じっくり読むべし。書いてあることから書いてないことを想像し、テーマを仮設する。展開のスピードに身をゆだね、作者の意図をはかりながらも、ちがった「読み」ができないだろうかと自問をくりかえす。スジやオチを知りたいなら映画を早送で見るか、誰かに読ませてソコだけ教わればいい。 しかしだ、ことさら「遅読」だの「スローリーデ