ホテルの宿泊代をマジックで使う偽の1万円札で支払ったとして偽造通貨行使容疑で逮捕された宮崎県綾町の男性(70)について、宮崎地検は容疑不十分で不起訴処分にした。処分は2月28日付。 男性は2月7日午前0時半ごろ、宮崎市内のホテルで料金6500円を偽の1万円札で支払ったとして逮捕された。財布の中には5000円札と1000円札計12枚と、偽の1万円札3枚が、仕切られた状態で入っていたが、飲酒しており誤って偽札を出したという。地検は「犯意を立証するのは困難」として不起訴処分にした。 男性は96年ごろからマジックを始め、偽札はカラーコピー機で友人に作ってもらったという。ボランティア団体に所属し、慰問で老人ホームなどでもマジックを披露。「これからはもうお金を使ったマジックはしない」と反省しているという。【中村清雅】