端的に言って、新海誠の映画の中に自分が出てこなかったのが一番の不満だ。 新海誠の主人公ってのは、独り善がりと被害者意識と自己陶酔で生きてるような、普通に見れば気持ち悪いものを持っているのが魅力だった。ああいうキモさ、自分を、許容してくれるのが新海誠作品だったのだ。ほら、新海誠好きな男なんて大抵キモいだろ。俺もそうだ。 すずめの戸締まりでは、そういう気持ち悪いキャラが出てこない。ダイジンはキモかったが、見た目が猫なので許されている。あれおっさんだったらみんな勘違いストーカー野郎だと罵倒するだろ。まあ、おっさんだったらすずめにうちのこになる?なんて言われないけど。 すずめもそうたも芹澤もあまりにもキレイすぎる。 新海誠の描く相手キャラってのは非常に都合の良い、もっと言えば自我がないキャラとして描かれるから、そうたは想定内だった。 しかし、主人公であるすずめも、きれいすぎた。被災者であり地震の悲
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