人の体内で細胞同士が結びつく接着力を測定する技術開発に奈良先端科学技術大学院大と近畿大の合同研究チームが成功し17日、発表した。細胞間の接着力の測定により、神経系と免疫系の細胞の接着で発症するストレス病のアトピー性皮膚炎やぜんそくなどの原因解明が期待できるといい、近く米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。 両大の研究チームは、組織や臓器を構成する細胞同士の接着の強さに着目。光を10兆分の1秒の時間に集中させた特殊なレーザーを使って、細胞同士を引きはがす操作技術と、レーザー衝撃波の強さから接着力を測定する技術の開発に成功した。 両大は、神経系と免疫系の細胞間接着力の計測にも成功しており、「今回の成果は細胞の接着異常により発症するストレス病やがんの転移解明、再生医療の研究にも役立つのではないか」としている。