大手印刷会社を定年退職した後、たっぷりとある時間を図書館で費やした「図書館の達人」による一冊だ。 筆者の唱える「図書館力」は4段階。「初級」は暇つぶしで、「中級」はいくつかの図書館で読書ざんまい。「上級」は、蔵書を駆使してテーマごとの調べ物ができるようになること。改善点を提言できるようになると、「有段者」の域に入る。 英国にある宿泊施設付き図書館、図書館の登場する小説や映画など、図書館に関する雑学も紹介している。合間に「館員のエプロン姿」「図書館で友だちはつくれるか」などといった軟らかい話を盛り込んで、読者を巧みに図書館の世界へといざなう。