防衛省は3日、先の大戦に関し政府見解と異なる見解を示した論文を投稿し、更迭された田母神俊雄前航空幕僚長(60)を定年退職とする人事を発令した。自衛官の定年年齢は役職や階級によって異なり、空幕長の定年は62歳だが、田母神氏は10月31日付で航空幕僚監部付となっているため、通常の自衛官定年である60歳が適用されると判断した。 防衛省は論文投稿が明らかになった先月31日に辞表の提出を求めたが、田母神氏が拒否したため、空幕長の職を解いた。ただ、自衛官の身分については存続していた。 田母神氏は民間企業が募集した懸賞論文に「日本は侵略国家であったか」と題する論文を投稿し、31日に最優秀賞を受賞していたことが分かった。論文は19世紀後半以降の日本の朝鮮半島や中国への軍事的行動について「相手国の了承を得ないで一方的に軍を進めたことはない」と指摘。「日本だけが侵略国家といわれる筋合いもない」との見解を示した