月に見つかった「洞穴」の入り口=宇宙機構提供 月面に洞穴の天窓のような縦穴が見つかった。月探査機「かぐや」が、月全域を高い精度で観測したことで初めて発見された。縦穴の底には、巨大な洞穴が存在している可能性が高く、将来の月基地に使えるかもしれないと期待が高まっている。 この穴は、月の赤道付近にある「マリウスの丘」と呼ばれる地域にあった。かぐやが昨年から今年に撮影した写真に、直径65メートルほどの変わった穴が写っていた。普通のクレーターより壁が切り立ち、直径に比べてかなり深かった。 宇宙航空研究開発機構が、穴にわずかに差し込む光や形状を解析したところ、穴の深さは80〜90メートルで、底には幅370メートルの巨大な横穴がありそうなことがわかった。周囲はかつて火山活動が活発だったと考えられる地帯。地球の火山にあるように、表面が固まった溶岩の内部で、溶けている部分が流れ出してできた洞穴と見られ