裁判の傍聴は原則として、当事者でなくとも誰でも可能だ。傍聴席で日々、裁判の行く末を見守る「傍聴マニア」は、日本各地の裁判所に存在する。傍聴マニア目線で書かれた書籍も今では数多いが、その草分けとなったのが、2006年にフリーライターの北尾トロさんが上梓した『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』(文春文庫)だ。 北尾さんはその後も不定期に傍聴を続けており、今年8月には、法廷で出会った恋愛がらみの刑事裁判傍聴記をまとめた「恋の法廷式」(朝日新聞出版)が出版された。2001年から裁判傍聴という世界に足を踏み入れた北尾さん。同じく傍聴ライターである私、高橋ユキにとってその道の大先輩にあたる。後輩として、刑事裁判の移り変わりや傍聴マニアの変遷について話を聞いた(ライター・高橋ユキ)。 ●「霞ヶ関倶楽部」から始まった ――私は2005年に傍聴を始めました。その頃、『裏モノJAPAN』(鉄人社)に掲載されて