東京大学木曽観測所は新装置トモエゴゼンを用いて地球接近小惑星の発見に成功しました。その後、国内外の望遠鏡により追跡観測が実施された結果、国際天文学連合より「2019 FA」の仮符号が与えられました。この小惑星は直径8メートル程度と小さく、地球から月までの約半分の距離を通過したと推定されます。 背景 地球に接近する軌道を持つ小惑星を地球接近小惑星(Near earth asteroid)と呼びます。地球接近小惑星は地球に近づいた時にタイミング良く観測をすると直径10メートルサイズの小さなものまでも観測できる利点があります。このような小さな小惑星はリュウグウのようなより大きな小惑星の構成要素(1枚岩のようなもの)と考えられており、小惑星の形成過程やひいては太陽系の惑星の進化過程を解明する上で重要な天体とされています(図1)。 地球接近小惑星は地球に衝突して人類の生活に影響を与え得る危険な天体で