学校の事故で、わが子を亡くしたり、子どもに重い障害が残ったりした場合、当人や保護者らの「その後」はどうなっているのだろうか。前回(「学校行事の大ケガを『自業自得と罵る教員』のなぜ)は、学校側の不誠実な対応によって、精神的にも経済的にも追いつめられた「名古屋市中学校トーチ事件」のケースを紹介した。そんな事例は全国に転がっている。安心して預けたはずの学校でわが子が事故に遭い、その後も長く苦しむ――。こんな事態が放置されていいはずはない。 詳しい説明の場が設けられることを待ち続けた 横浜市の松田容子さん(52)も、学校の対応に傷ついた1人だ。 2013年2月、卒業旅行で長野県を訪れていた小学校6年の長女・伶那(れいな)さん(当時12)を亡くした。伶那さんは、スキー場でそり遊びをしていた際、突然「疲れた」と座り込み、友人が気づいたときには倒れていた。近くの病院に搬送されたときには、すでに心肺停止だ