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ブックマーク / yoghurt.hatenadiary.com (9)

  • せめて、もっと人殺しの顔をしろ - 未来の蛮族

    TVでは、芸能人が我々に呼びかけている。「デマに騙されないようにしよう」ずいぶんと難しいことを言ってくれる、とおれは思う。デマに騙されようと思って騙される人間はいない。みな、正しいことをするつもりで間違えるのだ。 芸能人たちはこんなことも言っていた。「被災者の気持ちになって考えよう」確かにこれは大事なことだ。けれど、難しい。とりわけおれのような人間にとっては。おれは頭が悪いから、福島の原発について、土地を奪われた人間の気持ちをほんとうには想像することはできない。ただ、自分に置き換えて考えてみることしかできない。 もしも、自分の住む街に原子力発電所があったらどうだろう? 自分の故郷が、放射性物質に汚染されてしまって、二度と帰ることできなくなってしまったらどうだろう? しかも、その原子力発電所は遠く離れた東京に電気を供給するための施設なのだ。なぜ、自分たちだけが、東京の犠牲にならなければならな

    せめて、もっと人殺しの顔をしろ - 未来の蛮族
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    stilllife 2017/03/14
  • カフェでよくかかっているJ−POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生/渋谷直角 - 未来の蛮族

    帯には「誰かをバカにするマンガと思ったら大間違いだ!」という久保ミツロウ先生の力強いお言葉があるし、著者である渋谷直角氏はあとがきで「彼らに対して、こちらの何かの一つの価値観や上から目線をもって小馬鹿にしたり、それじゃダメだ、と断定して描いているのではなく」とはっきりと記していて、それはけっして嘘ではないのだろうけども、この作品を読んで感じたのは、やはり強烈な悪意、だった。小さな世界でもがくサブカル民を単に馬鹿にするのではなく、ある種の愛情をもって描いていることは、特攻の拓の天羽セロニアス時貞に匹敵するほど感動的な宮沢賢治使いをみても明らかなのだけど、散りばめられた固有名詞の群れからは、それを上回るほどの悪意を感じてしまう。 「バンプオブチキンと空の写真ばかりアップしているブロガーの恋」や「ダウンタウン以外のお笑い芸人を基認めていないお笑いマニアの楽園」は、そもそもタイトルに固有名詞が入

    カフェでよくかかっているJ−POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生/渋谷直角 - 未来の蛮族
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    stilllife 2013/09/06
  • ぜんぶ、ストIIのせい - 未来の蛮族

    USSR!飛行機がザンギエフステージに向けて飛び立つ瞬間に鳴り響く、あのボイス。 USSR。幼かった僕は、それがソヴィエト連邦の略称であることさえ知らなかった。 僕の辞書はナポレオンもびっくりするほど白紙のページばかりで、不可能も可能も全く掲載されてはいなかった。これから書き込んでいかなければならないことが山ほど残されていた。そんな僕が知っていた、数少ない真実。 それは、ストリートファイターに登場するキャラクターは、みな最高だということだった。以前、SNKのキャラクターデザインのことを、口を極めて罵ってしまった僕だけれども、格闘ゲーム界のもう一方の雄であるCAPCOMの「ストリートファイターII」のキャラクターデザインについては、悔しいけれど・おまえに夢中と言わざるをえない。 ダルシム、ブランカ……ほんとうに、僕は彼らが大好きだったのだ。 *1 けれど、彼らのことを思うとき、少し後ろめたく

    ぜんぶ、ストIIのせい - 未来の蛮族
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    stilllife 2009/08/17
    アジア学専攻の学生として近代インドのことを「ちゃんと」勉強している身なのに"India"という言葉を目にする度頭に響くのはあのストII独特のナレーションで妙にのっぺりと発音される"イン・ディ・ア"という後遺症
  • おれたち秘境探検隊vol.1―東京の廃村― - 未来の蛮族

    幼児性の抜けきっていないおれは、傘を持つたびに自分を剣士だと錯覚してしまう。しかも、実際は幼児以下であるところのおれは、自分がどのような剣士であるのかさえもあやふやなままで、一歩ごとにサムライになったり、ナイトになったりする。もちろん、おれは剣士ではない。誰だって剣士ではない。しかし、傘を持ったときでさえ剣士になれないような石ころ野郎に、いったい何の用があるというのだろうか。少なくともおれはそんな人間には興味がない。 そんな事ばかり言っているから、おれの周りからまともな人間がどんどん離れていってしまったのだろう。今では、視界に入るのは妙ちきりんな人間ばかりだ。妙ちきりんといっても、彼らは、そしておれは、妙ちきりんなままでこの社会を生き抜くことなどできないことを知っている。 おれたちはきっと、陸に上がった魚のようなものなのだ。海の不在に口をぱくぱくさせながら、大地に点在する沼地を渡り歩くこと

    おれたち秘境探検隊vol.1―東京の廃村― - 未来の蛮族
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    stilllife 2009/08/17
    素晴らしい記事にして最高の出だしなんですけど写真が怖すぎて途中から読めない!寝る前に見ちゃったよー!
  • 疾風の如く、女を語れ! 第一章 川本真琴 - 未来の蛮族

    真琴。今となっては、ずいぶんと古い名前に感じられるかもしれない。 映像は、彼女のデビュー曲、愛の才能*1。当時13歳だった僕は、この曲の歌い出し、しょっぱなのワンフレーズだけで、一瞬のうちに恋に落ちてしまった。 「成長しない」って約束じゃん 僕の衝撃を想像頂けるだろうか。なにしろ僕は13歳だったのである。右も左もわからぬ年齢だ。右も左もわからぬままに右頬を張り飛ばされて、僕は頼まれもしないのに左頬を差し出した。繰り返すが僕は13歳だったのだ。成長痛で夜も眠れない僕に、「成長しない」という「約束」が唐突に突きつけられたのだ。随分、一方的な約束もあったものだが、心を奪われた僕は従わざるをえない。それほどにこの約束は魅力的だった。川真琴……蛙みたいな顔しているくせに、どうしてこんなにエロティックな約束を突きつけることができるのか? 成長、の「せい」、その息遣いに含まれた圧倒的なまでのエロさ

    疾風の如く、女を語れ! 第一章 川本真琴 - 未来の蛮族
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    stilllife 2009/03/08
    川本真琴の存在感といい、声といい、「成長しないって約束じゃん」「あの娘にばれずに彼にもばれずにkissしようよ あしたの一限までには何度もkissしようよ」ていう歌詞といい、全てが絶妙なんだよなぁーァ!!!!
  • オバマ - 未来の蛮族

    大暮維人はアクロバティックなストーリー展開に定評のある漫画家ではあるけれど、さすがにここ最近の「エア・ギア」の展開にはちょっと空恐ろしいものを感じる。オバマ次期大統領が登場したかと思ったら、主人公のチームメイトの女の子と脈絡もなく「オレがオマエでオマエがオレで」になってしまったのである。この漫画の中のオバマは、スゴいローラースケートで夜の街を駆け抜けるカッコいい大人として描かれており、どうやら自由のために闘う闘士でもあるらしい。 極東の島国の漫画にまで、わけのわからない登場をしてしまうオバマ。こんな大統領もなかなかいないだろう。ブッシュ大統領もよく漫画に登場する人物であったが、多くの場合、彼は漫画の中では典型的な権力者、腐敗した独裁者として描かれていて、エア・ギアの主人公イツキから「イカスね この人 俺らなんかより よっぽどガキだぜ!」なんて賛辞を贈られるような扱いを受けたことはほとんどな

    オバマ - 未来の蛮族
  • 悪の海岸 - 未来の蛮族

    僕がまだ若く、心がいまよりもずっとざわめいていたころ、海岸には巨石が林立していて、若者たちはそこで各々のささやかな悪を育くんでいた。波にえぐられ、きのこ状に形を変じた岩陰は、野暮天な大人たちや、洒落の通じない警官どもから身を隠すにはもってこいの場所だったのだ。もちろん僕も、そうした若者のひとりであったので、夏が来るたびにあの岩陰に出向き、ここではとても書けないような悪の実践に励んでいた。 岩陰は無数に存在していたけれど、自分のお気に入りの実践場を見つけることは、決して簡単ではなかった。海岸には、日語、英語中国語、ハングル、あるゆる言語が刻まれたゴミが流れ着いてくる。そうした中で、潮風と海流に守られた、ゴミを寄せ付けない場所を探さなければならないのだ。その他にも、草の生え方や、岩の丸められ方など、考えるべき要素はいくらでもあって、それらの条件を全て満たした場所となると、長い海岸線の中にも

    悪の海岸 - 未来の蛮族
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    stilllife 2009/01/20
    なにがどうとかうまくいえないけれど、胸にずしりと重い
  • おれはもうずっと夢の中 - 未来の蛮族

    上の写真は、去年、ブロガーの方々とヘビセンターを訪れたときのもの。 そのはずだ。 はずだ、なんてあやふやな結語を使ったことにはもちろん理由がある。 当に夢のようなひと時だったので、現実に起こった出来事なのかどうか、まるで自信を持つことが出来ずにいるのだ。 id:hey11pop、id:mereco、id:kaka、id:anzenchanという、尋常ならざる輝きを放つキラキラ面子のせいだろうか、 カメラの調子が完全におかしくなってしまい、まともな写真はほとんど残らなかったため、 あの美しい思い出の実在を保証するものはなにひとつ存在しない。 それでも、しばらくの間は、id:kakaさんに頂いたはずのジャムをすることで、あの魔法時間に立ち戻ることが出来たのだが、 まるでどこぞの熊族の如き勢いでジャムを舐め続けたせいで、すぐに瓶は空っぽになってしまい、 いまとなっては、あの素晴らしいジャムさ

    おれはもうずっと夢の中 - 未来の蛮族
  • この夜は歩くための夜 - 未来の蛮族

    夜の生活において、感度優先モードを使うことを覚えました。おっと、感度優先といっても、性的な意味は一切ありませんよ。 妙な勘違いはやめて頂きたい。僕がしているのは、あくまでも写真の話です。 感度をあげると、ノイズが増えるって聞いたもんで、今まで全然使ってなかったんだけど、 良く考えてみれば、ノイズをことさらに嫌う必要もないんだってことに気がついたんですよ。 おれはもともと、幹線道路沿いで生まれ育ったせいで、車の騒音を河のせせらぎのように感じてしまうような人間です。 「きれいはきたない」「きたないはきれい」 思春期のころは、そんな言葉を念仏のように繰り返して、それだけを心の支えに生きていたような人間です。 つまり、僕という人間性そのものがノイズとともにある、そう言っても過言ではないのです。 写真には撮る人間の心が現れる、そんなことがご近所物語に書いてありましたが、 そういう意味では、夜の闇その

    この夜は歩くための夜 - 未来の蛮族
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    stilllife 2008/10/31
    どっぷり都心育ちなので、コンビニと人ゴミと電磁波にあふれたビル街や、真っ茶色のくさいドブ川脇の通学路や、排気ガスに息を止めて通る狭い道がわたしの故郷で、あの猥雑さがいとおしいです。きたないはきれい。
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