あの日の昼休み。俺は、職員室にクラスの連中のノートを届ける、という日直の雑用を済ませたあと、購買へパンを買いに行った。 普段と違い、その日はすごい行列で、買うのに時間がかかってしまった。どうやら食堂のコンロが一部壊れて、麺類が無くなってしまったために、パンで済ませようと考える連中が殺到したらしい。 やっとのことで残っていたジャムパン二つ(ストロベリージャムとブルーベリージャム)を買い、俺はぼっちランチの定位置である屋上に向かった。 普通の日は、俺の貸し切りだ。昼休みじゅう、誰も来ることは無い。パンを食って、軽く昼寝してリラックスする。人生のオアシスだった(大げさだが)。 ところが、その日は先客がいた。屋上のドアを開けようとすると、人の気配があり、何やら聞き覚えのある声が聞こえる。男女の会話だ。中身まではあまり聞きとれない。俺は、屋上のドアを半開きにして、何をしているのか覗いてみた。 すると