IT産業アナリスト/佃均 制度開始からわずか3ヵ月で、早くもマイナンバーシステムのタガが緩んでいる。カードを発行すために必要なシステムの不具合により、マイナンバーカードの発行が大幅に滞っているのだ。 さらには、その応急措置として、市区町村職員がパスワードや暗証番号を預かるのを「可」とする通達を、総務省が市区町村に流したというから驚きだ。「カードの発行を迅速に進めるため」という理由だが、昨年12月には、堺市の課長補佐が全有権者68万人の個人情報を持ち出して外部に流出させたケースもある。 この通達が、3,000億円の税金をつぎ込んだシステムを崩壊させる「蟻の一穴」になりかねない。 交付目標を当初の4分の1に システムがダウンしたのは、カードの発行が始まった1月に6回、2月に1回。動いていてもレスポンスが遅くなったり、10秒程度中断(フリーズ)したりすることが珍しくないという。住基ネットの中継サ