タトゥー・アーティスト大島托が世界中の「タトゥー」を追い求めた旅の記録。第十一回の舞台は90年代のカナダ・バンクーバー。まったく信じがたいことだったが、それはきわめて手軽に、いくらでも好きなだけゲットできたのだ。 まったく信じがたいことだったが、それはきわめて手軽に、いくらでも好きなだけゲットできたのだ。 そう、ただバンクーバーにいるというだけで。 熱帯魚のような男はベーっと舌を出した 工場地域のガスタウンはガラの悪いエリアとされている。 観光客でにぎわうショッピング街や大きなビルが立ち並ぶオフィス街とも隣接しているのだが、ここに一歩入るといきなり空気が変わるような感じだ。危険、ということではない。なんかこう、荒んでいるのだ。港湾都市にそういう一隅があるのはどうやら世界共通の現象のようだ。 そのガスタウンでテキトーに宿を決め、荷物を部屋に置いて平日のまだ昼前の通りをぶらつき始めるとスケボー